no.1 | 産まれたことを

三井朝日
(形式 | テキスト)

少し時間が経った頃、産まれたことを朧げに気づき始めた年代の僕、分かりやすく言うならば、手足が生え始めて、拙くも動かし始められるようになった年代の僕、は母さんに〈もしかして僕は産まれたのかな〉と尋ねて、母さんに笑いながら頷かれたとき母さんの喜びという感情に触れて、安心しつつも、〈これが産まれることか〉と、肩透かしというか、期待はずれというか、漠然と腑に落ちなさを感じた。知っているけど煤けたもののような、懐かしくも執着までいかないもののような、おかしな話だけれど、そういう感覚だった。だけど妹のきらきら光る睫毛の動きを見ると、僕にも喜びという感情が緩やかに、かたちづくられていくのを感じた。

音声での上演

坂本彩音
(形式 | 音声)

①体と心の状態を整える。
②楽な姿勢になり、目を閉じる
③音声を流す
④頭の中で音声を聞きなからそうぞうする。
音声での上演では、言葉をどこにでも連れて行くことができる。
朝と夜を重ねることもできるし、渋谷と小平市の両方にいることも、料理している私と、会話している私、散歩している私、屋上で朝焼けを見ている私を同じ時に存在させることができる。
そして耳に入る音を拾い、あなたは言葉を自由に、あなただけの想像の中で受け取ることができる。


作品リスト

音声での上演 |
坂本彩音(形式 : 音声) >>>

’97 06 05 |
小林克彰(形式 : 写真) >>>

Drops |
小林春菜(形式 : 写真・動画) >>>

cycle |
首藤なずな(形式 : 音) >>>

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