no.1 | 産まれたことを

三井朝日
(形式 | テキスト)

少し時間が経った頃、産まれたことを朧げに気づき始めた年代の僕、分かりやすく言うならば、手足が生え始めて、拙くも動かし始められるようになった年代の僕、は母さんに〈もしかして僕は産まれたのかな〉と尋ねて、母さんに笑いながら頷かれたとき母さんの喜びという感情に触れて、安心しつつも、〈これが産まれることか〉と、肩透かしというか、期待はずれというか、漠然と腑に落ちなさを感じた。知っているけど煤けたもののような、懐かしくも執着までいかないもののような、おかしな話だけれど、そういう感覚だった。だけど妹のきらきら光る睫毛の動きを見ると、僕にも喜びという感情が緩やかに、かたちづくられていくのを感じた。

はじめに

北原成貴
(形式 | テキスト)

私には5歳離れた妹がいます。幼いながらに命の誕生を目にしてとても不思議な、けれど微かに高揚したような気持ちがあったことを、この作品を読んで思い出しました。
私が作品を通して感じたことがあるように、「産まれたことを」が起点となり、解釈も表現方法も違う4つの作品が産まれました。
それぞれの作品がどのようにして産み出されたかは、ページの一番下に掲載されている意見交換会の様子を視聴してみてください。
普段は観ることのない、美術作品が出来る過程だけでなく、演劇がどのように一つの作品になっていくのかを感じ取ることが出来るかもしれません。
2020年、社会を取り巻く環境が変化し、リアルの場で作品を鑑賞する機会は減ってしまいました。Webサイト上で作品を鑑賞する行為は中々集中できるものでは無いかもしれません。休日の朝や、お休み前の夜など、皆さんが程よくリラックスできる環境で鑑賞して頂けると幸いです。


作品リスト

音声での上演 |
坂本彩音(形式 : 音声) >>>

’97 06 05 |
小林克彰(形式 : 写真) >>>

Drops |
小林春菜(形式 : 写真・動画) >>>

cycle |
首藤なずな(形式 : 音) >>>

はじめに >>>


作家プロフィール >>>


意見交換会


アンケート >>>

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